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[PYP]開智望小学校の防災教育

こんにちは、1学年担当の清水です。

本日は、防災教育についてご紹介いたします。

 

本校では1月末、引き渡し訓練を予定しておりましたが、新型コロナ感染予防対策のため、中止となりました。

 

引き渡し訓練は、災害や事件、事故などの非常事態を想定し、保護者の方々に学校まで子どもたちをお迎えに来ていただく訓練です。

本校では、他にも災害時、非常時の対応として、避難訓練や不審者対応訓練などの訓練も実施しています。

 

今年度、引き渡し訓練は中止となりましたが、東日本大震災から10年ということもあり、各ホーム(異学年学級)で防災についての授業を行うことになりました。

 

 あるホームでは、「震災から10年」をテーマに、次のような授業が行われました。

画像①

現在小学校に通うのは、ほとんどは東日本大震災後に生まれた子どもたちです。

そんな子どもたちにとって、震災は昔話のようです。

しかし、学校現場で実際に震災を経験したホーム担任は、その体験を伝えるのが義務なのではないかと考え、その体験を話しました。

 

また、震災後の東北に何度か足を運んだことがあるその担任は、震災後の悲しいまちの様子も目にし、仮設住宅や学校、復興支援の現場を訪れ、現地の方々と震災、復興について話もしてきました。

 

こうした体験をもとに、担任は次のような内容を子どもたちに伝えました。

画像② (2)

①  東日本大震災の概要

  • 被害の地域や被害を受けた人々
  • 震度7の実態(起震車の映像&当時のTV局の映像)

②  担任の震災当日の記憶

 

③  担任が東北訪問で見た被災地の様子(震災から6ヶ月後&4年後)

  • 津波の被害、復興とは程遠かった現地
  • 震災を語り継ごうとする取り組み(遺構の保存、語り部)

④  大川小学校での鈴木さんの活動(大川伝承の会)

最後に担任が子どもたちに問いかけたことは次の3つでした。

 

  ◯  なぜ鈴木さんは、​つらい体験を​語り続けるのだろう?

  ◯  私たちが考えなくてはならないことは?

  ◯  私たちに何ができるのか?

 

異学年での集団なので、1年生らしい素直な反応、5年生らしく多面的にとらえた考えなど、多様な意見が飛び交います。そうした声に耳を傾けながら、一人ひとりが考えを深めていきます。

以下は個々の記述です。

さいがいやじしんがおきたとき、とう下校がたいへんだとおもいました。すずきさんが、さいがいやじしんのことをずっとわすれないでといったらわすれません。もしじゅぎょうちゅうにじしんがおきたら、すずきさんがいったことをおもいだして、いそいでひなんばしょにいくってことがわかってつぎからすずきさんがいったことをやります。(1年男子)

私たちが考えなくてはならないことは、どうやったらそんなことがおきないようにすることができるのか?そんなことをふせぐためにどうすればいいのか?ということ。私たちにできることは、その人たちの体けんをかたりつぐこと。そして、もう二度とそんなことがおきないようにすること。(2年女子)

日本で何こもひなん場所を見つける。こういうさいがいがあった時、自分はどうすればいいか。さいがいは「こわいな」と思った。学校に近いひなん場所(広くて、がんじょうな所)を見つける。さいがいがおきた時、いろいろ気をつけないといけないことがわかった。すずきさんの話を聞いて、わたしは、子どもたちと大人たちはたいへんなめにあったんだと思いました。わたしは、もっとさいがいのことをしりたいです。(3年女子)

私たちが考えなくてはならないことは?災害がおきた時のためのひなん場所や、対応のしかた。私たちに何ができるのか?あらかじめ棚を固定しておいたり、食料のじゅんびやきしん車に乗っておいて、体けんしておく。救助隊へのぼ金など。自分の命が最ゆう先ということを考える心。(4年男子)

「自分たちの悲しい出来事をみんなに伝える事、つらい事だけれども、たくさんの人のためになるなら、みんなにも伝えよう」このようなすずきさんのやさしい思いが伝わってきました。ぼくたちは、もっと災害のこわさやひなんのしかたを学びたいです。もし災害がおきたら、みんなの事も見て、安全なひなんをしたいと思います。(5年男子)

間もなく東日本大震災から10年を迎えます。

子どもたちはその当時、それからの10年に触れ、亡くなった方々、あるいはそこから生き抜いてき方々と今の自分を重ねながら考えようとしています。

そこに一人ひとりの課題や新たな問いが生まれてくるのだと思います。