国際バカロレア教育では、「学び方を学ぶことが教育である」という考えに基づいて、子どもたちが生涯にわたって主体的に学んでいくために必要となる態度やスキルを示しています。
それらのスキルはATL(Approches to Learning)と呼ばれ、特定の教科に限らない汎用的なもので、望ましい人間関係や学習習慣を育み、維持するために必要となるものです。
例えば、国語の学習においては読み書きを学び、算数の学習においては計算を学び、読むスキル、書くスキル、計算するスキルなどの「教科のスキル」を学習します。
これらは、1人の人間が思考し、学習を深め、幅広い知見を身につけるうえで欠かせないスキルです。 一方、国際バカロレア教育の定義するスキルは、いわゆる基本技能を超えた、教科の枠を超えたスキルです。

すべての教科それぞれに関連した、また教科の枠を超えたこれらの内容は、さまざまな要素が複雑に入 り組んだ児童の毎日の生活を支えるために必要なものといえます。
◇ 活用事例 3年生の社会科「店ではたらく人」の学習単元における校外学習では、近くのスーパーマーケットの見学に行きます。そして、見学してきたことを新聞にまとめます。 子どもたちは「店ではたらく人」の学習で不思議に思ったこと・疑問を解決するために店員さんにインタビューをしますが、そこで必要になるのが「コミュニケーションスキル」です。 また、店内にはたくさんのお客さんがいます。マナー良く見学するためには「ソーシャルスキル」が必要になります。 そして、インタビューから得られた情報を整理し、取捨選択して新聞にまとめる際には「リサーチスキル」が必要になります。 このように1つの学習活動においても複数のスキルを活用し、学ぶ内容に捉われることのない「学び方」を学びます。 |