フィールドワーク

本校では、宿泊を伴う学習活動(フィールドワーク)を1年生から実施しています。日常とは異なる環境下において、学校生活で培った社会性や協調生を発揮する場とし、一人ひとりが自ら役割を見つけ出すことを通して責任感を育む場としています。

 

また、経済感覚を育むプロジェクト型学習として、3年生では第一次産業(農業)、4年生では第二次産業(ものづくり)、5年生では第三次産業(サービス)について系統的に学びを深めていきます。

 

フィールドワークは探究の授業と関連づけて実施しています。学校で行う事前学習では、時間をかけて疑問を立て、自分たちなりの仮説を考えます。

そして、現地では専門家から話を聞いたり、そこでしかできない活動を体験したりして、自身の仮説に対する調査・検証を行います。宿舎に戻り振り返りの時間をしっかりと設け、その日に学習したことについて、じっくりと友人と共に考えることができます。友人の意見を聞くことで、自分の考えを深められ、新たな発見をすることにもつながります。そして、次の日の活動では、前日に振り返ったことを踏まえながら、より深く学ぶ場を設定しています。

 

学校に戻ってから行う事後学習では、体験してきたことを整理し、考察します。五感を使って学ぶ経験をした子どもたちは、より深い理解や新たな発想を生み出すことができるようになります。

教室で考えたことを、現地へ赴き体験することで学ぶ楽しさや意欲につながっていきます。体験から学びへとつなげることができるフィールドワークは、子どもたちの思考力を高める大切な学習機会です。

1年生のフィールドワーク

10月 茨城県 白浜少年自然の家(1泊2日)

1学年では、年間テーマである「生活」について学ぶ一環としてフィールドワークを実施します。

令和4年度は「白浜少年自然の家」で宿泊学習を行いました。 「感覚」の探究と関連させ、目隠し歩きやゴールボール体験などの感覚を使う活動を行ったほか、普段とは違う環境の中で、友だちと一緒によりよく生活することを目的として、「しんぐがかり」「しょくじがかり」等の日常に関わる係をつくり、「自分たちのことは自分たちでする」という意識をもって1泊2日の集団生活を楽しみました。

2年生のフィールドワーク

11月 茨城県 つくば山(1泊2日)

2年生の探究では、「自然の恩恵と脅威」について学びます。

この「自然の恩恵」を学ぶ場として、筑波山のブナ林をフィールドにしました。ブナ林を散策しながら、多様な動植物が生息していることを実感し、ブナ林の多様性から「恩恵」を理解します。更に、自然の中で活動することの心地よさも実感することで、自然からの恩恵に気付きました。

また宿舎の生活では、グループごとに目標や役割を決め、みんなが快適な生活となるために助け合うことの大切さを学んできました。

3年生のフィールドワーク

10月 千葉県 クルックフィールズ(2泊3日)

3学年では、第二次産業について学ぶプロジェクト型学習の一環としてフィールドワークが位置付けられています。

 

今年は、「農家さんの苦労や工夫を体験する」ことを目的として千葉県にあるクルックフィールズで農業体験をしました。

子ども達は、自分が収穫した新鮮な野菜を食べて感動し、その裏では、農家さんが休みなく水やりをしたり、肥料に気を配ったりしながら野菜を育てているからであることを知りました。

 

また、振り返りの場では、苦労・工夫だけでない農家さんのやりがいや喜びに気付き、農業に関心をもつようになった子どももたくさんいました。

4年生のフィールドワーク

10月 静岡県浜松市(3泊4日)

4学年は、第二次産業(ものづくり)に焦点をあて、静岡県浜松市で3泊4日のフィールドワークを行います。

事前学習として、浜松ではなぜものづくりが盛んになったのかを調べ、地形的な要因や多くの偉人がいたことを学びました。

実際に伺ったスズキ歴史館では、車をつくることの難しさや工夫について、聞き取り調査を通して学びます。最終点検で99点だった場合は決して流通ルートには乗せず、再度チェックし直すことや、労働環境をより良くするため、作り手が自ら工夫を積み重ねていることを知りました。「小少軽短美」というキャッチフレーズを聞き、子どもたちそれぞれが感じたことを話し合い、考察を行いました。

別の日には、ハーモニカ工場である昭和楽器製造での実地見学から熟練した職人の技について学び、静岡濾布のタオル染めを体験しました。

「ものづくりの街」浜松だからこそできる現地での体験を大切に、大量生産のよさとこだわりのものづくりのよさ、それぞれのものづくりにかける想いについて多様な視点から考えを深められました。

5年生のフィールドワーク

10月 大阪府大阪市(3泊4日)

5学年は、第三次産業に焦点をあて、企業と起業、企業と地域の関係について探究するべくフィールドワークを行います。

「組織と社会は影響し合っている」というセントラルアイデアの下、鉄道を中心とした都市開発、百貨店などの流通事業、観光事業を展開した阪急電鉄創始者である小林一三の記念館や阪急電鉄本社にてセミナーを受講し、インタビューを行いました。

また、海遊館では従業員の働き方を見せていただき、日清の記念館ではカップラーメンができるまでの工程を学びました。 最終日には、起業家ミュージアムで様々な起業家の方から生い立ちや偉業についてお話しいただきました。

フィールドワークを通して、一言に「第三次産業」といってもその形態は様々であること、企業ごとに創業者たちが掲げた理念があり仕事を通じてその理念を体現していること、地域の発展に密接に関わっていることを理解しました。

子どもたちは、学校に戻ってから「では、私たちという個人、そして組織が社会に影響を与えていることは何か」を考察しました。

*上記は、実績に基づいた内容です。今後、変更する可能性がありますので予めご了承ください。