キャリア教育

文部科学省は、キャリア教育を「一人一人の社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して、キャリア発達を促す教育」と定義しています。

積極的にキャリア教育を取り入れ、低学年から探究活動による学びの土台を構築することで、様々な経験・体験を通してアイデンティティを形成します。

低学年から系統的に学びを深めることで、高学年になると自分たちの生活が多くの職業や産業に支えられていることに気が付きます。

高学年の学びの一環として、新聞社の方に新聞制作の授業を行っていただくほか、医師の先生に「いのち」についての授業を行っていただく活動を行っています。

自分がなぜ生まれたのか、どのようにして生まれたのかなど、自分について学び、自分自身を愛するきっかけを作ることで将来どのような人間になりたいのかを改めて考える機会となります。

更に、本校では夏休みを中心に取り組むプロジェクトとして、「夏の個人探究発表会」を行なっています。

1年生から5年生まで、自分で設定したテーマに基づいて、これまでクラスの探究で培った技能や知識を総動員し、自分だけの探究、「個人探究」を行います。

自分で考え、決めて、実行するからこそ、責任感ある姿勢が育っていきます。

5年生はPYPの集大成として「エキシビション」を行います。計画立案だけではなく、外部への交渉まで自身で行うことで、社会に通用する力を培い、発揮していきます。

また、1〜4年生は、5年生が本気で行う姿を参観することで、「自分たちが5年生になった時は……」と自分の将来を考える場となります。

プロジェクト型学習への各学年の取り組み

生活(1年)

生活の身近な課題を通して、生活のリズムとソーシャルスキル、自己管理スキルを身につけます。

小学校に入って初めての集団宿泊学習では、友だちと協力して1泊2日を過ごすことで協調性を養います。ルールやマナーを守り、友だちと楽しく関わることは、日々の生活の中でこそ自然な形で身につけることができます。

お互いを思いやり、積極的に関わり合いながら、よりよい学校生活を送るために課題解決型の学習を行います。

ホームの活動で上級生の思いやりのある行動や、リーダーシップを発揮する姿をみて、近い将来の自分の将来像を描くことができます。

あそび(2年)

子どもたちが主体となって、自らあそびを創り出します。

生活科やアートの授業でみんなで遊べるおもちゃを作り、仲間たちとの協力や他者尊重という態度も身につけます。

実際に遊んだり、作ったりという活動のほかにも、国語の授業では、自分で考えたおもちゃの作り方の説明文を書き、教科の枠を超えた学習となる取組みを行います。

米づくり(3年)~第一次産業~

3年生では、第1次産業の農業について、主に体験を通して学習します。

プロジェクト学習として1年間を通して米作りにチャレンジします。学校でバケツ稲を育てたり、近隣農家さんの田植えや稲刈りのお手伝いをしたりします。

また、2泊3日のフィールドワークでは、農作業体験や出荷の様子の見学をし、農業の大変さや自分たちの食卓との繋がりを感じます。

農業の苦労と工夫を体験することで、自分たちの生活を支える職業の尊さや、農家さんへの感謝を感じます。

ものづくり(4年)~第二次産業~

第二次産業について学習し、児童自身の創造力を育むため、実際に自分たちでものづくりの疑似体験を行います。

浜松でのフィールドワークでは、車を作るためにはどのような人たちが関わっているのかを知り、その人たちの仕事・役割について調べていきます。

プログラミング担当や宣伝担当、設計担当に分かれ、「誰かのための車」を作るために試行錯誤を積み重ね、ものづくりの困難さを体験していきます。

フィールドワークに行く前には、新聞社の記者を招き、インタビューのやり方を学びます。学んだ方法をフィールドワークで実践することで、学校の学びと社会を結びつけた学びになっていきます。

また、理科では電池のはらたきを学び、実際にモーターを動かしてみたり、LEDライトを使い信号を作ったりします。更に、プログラミング学習として、「toio」というiPadで組んだプログラムをもとに動かすことのできるミニロボットを使い、乗っている人にとって安全な車を作ります。

遊びとしてではなく学びとして理科の実験やプログラミングを行うことで、変化を続けていく社会にも対応する力が育っていきます。

企業と人を結ぶもの(5年)~第三次産業~

社会科では産業について学習する一方、探究の学習では「How we organize ourselves」のTDTのもと、過去、現在の起業家を調べました。

大阪でのFWでは、企業家ミュージアムを訪れ、数多くの起業家に触れたり、各企業がもつ施設を訪れたりしました。

また、宿泊したホテルの方とも交流しながら、モノだけでなく、サービスについても体感しながら学びを深めました。

秋のエクスカーションでは、つくばにあるベンチャー企業や研究所の協力を得て、見学やワークショップをしながら、なぜ、組織が必要なのか、どのような組織が世の中に影響を与えているのか、学ぶことができました。