高める力

本校の算数では、正解を出すこと以上に、「なぜそうなるのか」「どう考えたのか」に焦点を当てた学びを展開しています。自分なりに考え、図や式、言葉で表現しながら他者と共有する経験を通して、論理的思考力や表現力、協働する力が自然と育つのが特長です。単元ごとに育てたい数学的な「見方・考え方」を明確にし、思考の過程に価値を見いだす姿勢を大切にしているため、児童も単元の初めから「今回の見方考え方は何かな?」という視点をもって授業に取り組むことができます。さらに授業のまとめの後には「今日のまとめなら〇〇ならどうなるだろう」というような新たな問いも生まれるため、探究サイクルを回すように算数の授業に取り組むことができます。

実践例

たとえば「わり算」の単元では、「分け方に着目する」ことを軸に学びを進めています。3人に同じ数ずつ分ける場面(等分除)と、1人に3個ずつ配る場面(包含除)を体験し、「同じ式だけど昨日と学ぶことは一緒なのか?」という児童の問いから学びが始まります。具体物を使った操作や図、言葉の式などを用いて自分の考えを表現し、友だちとの対話を通して多様な見方に触れることで、同じ式でも分け方が違うことに気づけるよう促していきます。わり算の等分除と包含除の考え方は算数で多くの児童が躓く、5年生の割合や単位量当たりの大きさにもつながります。単元を通して育む見方考え方を単元をこえて活用できるようになることを目標にしています。