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【8年生】それぞれの正義がぶつかるとき、私たちは何を大切にして未来を決めるのか

8年生は「環境」をテーマに探究活動に取り組んでいます。
教科書やインターネットで調べるだけでなく、「実際の現場で何が起きているのか」「現地の人々はどんな思いで動いているのか」を五感で確かめるため、生徒たちは3日間のフィールドワークで、気象・文化・環境・産業など多岐にわたる7つの施設を巡りました。

各地で知る、それぞれの「譲れないもの」

1日目

生徒たちが向かったのは「富士山レーダードーム館」と「ふじさんミュージアム」。
日本一の山・富士山と人々が、遥か昔から今日までどのように関わってきたのかを学びました。
その昔、噴火をすれば神の怒りだと恐れられ、信仰されていた富士山。
ここでの問いの例は、「観光客が増えることは、富士山の自然や地域の暮らしにとって良いことだと言えるか」です。

2日目

「SDGs学び館」「山梨県立富士山世界遺産センター」「生物多様性センター」を訪れました。
SDGsや環境保全の大切さが叫ばれる中で、自分たちに実際に何ができるのかを学びました。
レッサーパンダやホッキョクグマなど、よく聞くけど、実は絶滅危惧種だという生物たち。そんな生物たちを守っていくために、何ができるでしょうか。
ここでの問いの例は、「道路や施設の建設などの開発と、生物多様性の保全がぶつかったとき、どちらを優先すべきか」です。

3日目

最終日に訪れたのは「山梨県立科学館」と「御坂農園グレープハウス」です。
グレープハウスさんでは、ジャム作りを体験させていただきました。
また科学館では新しいエネルギーの仕組みや、身近にある楽しい科学を学ばせていただきました。
ここでの問いの例は、「私たちの暮らしを支えるエネルギーは、多少コストが高くても環境に優しいものへ切り替えていくべきか」です。

施設での学びを武器に挑む、夜の「なりきりディベート」

昼間の施設巡りで得た知識は、夜の「なりきりディベート」で活かされます。
生徒たちは自分本来の意見ではなく、「昼間に出会ったあの施設の方」「地域を守る事業者」「未来に自然を残したい研究員」など、割り当てられた立場になりきって対話を行います。

 

ルールは「相手を論破するのではなく、意見を尊重し合い、新しい視点を得ること」。

議論の場では、こんな言葉が交わされました。

 

「じゃあ、お金を用意できない人は環境に配慮するのが難しいってことですか?」
「外国人観光客が増えたことで、富士山のごみが増えているかもしれない点についてはどう思いますか?」

昼間に施設で直接見て、聞いてきたからこそ、これまでとは違う鋭い質問が飛び交います。
感情論だけでなく、現場で集めた事実と論理をもとに意見を交わし、お互いの「譲れない正義」に真剣に耳を傾け合いました。

3日間の体験から導き出した「自分だけの軸」

7つの施設を巡り、二晩のディベートで葛藤し続けた生徒たち。

フィールドワーク後の振り返りの授業では、答えのない社会の複雑な問題に対して、自分が大切にしたい「選択の基準」を自らの言葉で書き表しました。

 

【生徒たちの「選択の基準」】
「私は、『自分と違う意見が出たときに、その意見を否定しない』ことを大切にして未来を選ぶ。」
「私は、『その選択をして悲しむ人がいないかという』ことを大切にして未来を選ぶ。」

教室を飛び出し、自分の目と耳で現場の現実に触れた3日間。
「正解がひとつではない世界」で、現場の方々の思いを受け止めながら悩み抜いた経験は、生徒たちにとって大きな財産になったはずです。

 

頼もしい表情で学校に戻ってきた生徒たちが、これからどんな探究活動を見せてくれるのか、ぜひご期待ください。