【DP】TOK展示会(11/30)
11月30日(土)に、11年DP生・10年生合同で「PP発表会・TOK展示会」という国際バカロレアに関連する学校行事が行われました。今回は、11年DP生のTOK展示会についてご共有します。
ここから先は、11年DP生の古川(ふるかわ)さん・成(そん)さんが作成した文章をお届けします。
【TOKとは何か?】
TOK(Theory Of Knowledge=知の理論)とは批判的に思考して、知るプロセスを探究する授業のことであり、知識そのものについて疑問を投げかける問いについて探究する国際バカロレアのDP科目です。主な目的は、新しい知識を習得することではなく、生徒がすでに知っていることを振り返り、それをもっと広い視点で見ることができるようになることです。
【古川さんのTOK展示内容】
<発表概要>
私のIAプロンプト(TOKの問い)は、「知識の種類によって有用度は異なるのか?」です。この際、発表で取り上げる知識の広さを決定するのに苦心し、今回は「製作者が明確で制作段階で誰を対象とするのかがはっきりしている知識」という制約を加えました。私の事物(じぶつ=実証するための具体的なもの)は自分で作成したまとめプリント、ロシアで作られた歴史の教科書、エスペラント語。この事物を使い、使用者がこれら事物を使った際の有用度を発表しました。教科書がわかりやすいという人もいれば、分かりづらいという人もいます。
その違いはなぜ生まれるのかを教科書とまとめプリントを比較し、有用度に影響する要素を考えました。有用度を決定する要素は複数あります。ロシアの歴史の教科書は研究者といった学生以外にとっても有用であること。エスペラント語では逆に話者数が少ないことで有用度を損ねることがあることを明らかにしました。(エスペラント語は200万、英語は15億)
<発表してみて>
反省点として、発表中に日本とロシアの歴史の教科書の違いを日露戦争を用いて説明しました。しかし、一部の生徒はそもそも日露戦争についてまだ学んでいないため、その生徒たちへの説明が不十分になりました。幅広い学年に発表をする以上、知識量に差があることは当然であり、より詳しく対象にあった発表にすべきでした。
嬉しかった点は、発表を通して普段TOKについて馴染がない生徒・保護者から「TOKを学んでみたい!」「TOKの意義がわかった」という声をいただいたことです。自分の発表を通してTOK、引いてはDPの魅力を少しでも伝えられたことが本当に嬉しいです。これを切っ掛けにみなさんも是非、TOKについて考えてみてください!
【成さんのTOK展示内容】
<発表概要>
私は「知識を整理したり分類したりする際に使われる方法は、私たちが知ることにどのように影響するか」というIAプロンプト(TOKの問い)を選びました。また、事物(じぶつ=実証するための具体的なもの)として樹林の遷移の過程をまとめたノートと自作世界宗教分布地図、化学の「無機物質」分野の最初の部分をまとめた紙を用意しました。IAプロンプトに対して3つの意見を考えないといけなかったのですが、それぞれの意見の妥当性を示すための事物を探すのに苦労しました。
<発表してみて>
貴重な経験をすることができました。発表を聞いてくださった方々がちゃんと集中しながら聞き、質問をするなど積極的な態度を見せてくれたため、手応えはあったと思います!
ですが、正直悔しいです。なぜなら、緊張をしすぎたせいで言葉を噛んだり、早口になったり、論理的な説明がちゃんとできなかったからです。今回の展示会を機に、今後直していけたらいいなと思います。
下級生からはたくさんの良いコメントをいただくことができました。発表自体のコメントもたくさんあって嬉しかったんですが、何よりTOKという科目とDPコース自体にもっと興味を持てたという感想から嬉しさを感じ、先輩としての役割を果たせたなと思います!