国際バカロレア DPの学び(中等5・6)

DPとは

 国際バカロレア教育では、16歳から19歳までを対象とした、大学やその後の職業分野で必要とされる学問的スキルを見据えて設計されたプログラムのことを「DP(Diploma Programme)」としています。 教科の学習は、より専門的な学問領域に基づいて組み立てられ、学習においては、MYPで獲得した「概念」を様々な事柄に対して自身で見出し、深めていくことが求められます。 カリキュラムの中核には、「知の理論(TOK)」「課題論文(EE)」「創造性・活動・奉仕(CAS)」と呼ばれる3つの<コア>カリキュラムが設定されています。学習者は3つのコアを通して、各教科で学んだ知識を批判的に再検討したり、現実世界と結び付けたりしながら、自身のアイデンティ理解を深めていきます。 本校では、11・12年生(中等5・6)に対してIBDPプログラムを提供し、未来に羽ばたく子どもたちに確かな自信と生涯学ぶ力を身につけます。

 DPの教育プログラムは、アカデミックな領域に固執することなく、教育体験を通した幅広さとバランスを兼ね備えた学習者像を目指しており、コア科目を設定していることからもその方向性が伺うことができます。

また、学習カリキュラムとして以下の6つのグループを必ず履修することで、専門的な学問領域の学びと教科を横断する形の学際的な学びを並行して進めながら真の理解に努めます。

PYP・MYPでの学習経験を活かし、DPのカリキュラムを通してこれまで積み重ねてきた学びの延長線上に、多様な文化を理解できること、意志を持って行動できること、学び方を学び続けられること、こうした姿を目指します。

カリキュラム(選択履修科目)

DPのカリキュラムは、6つのグループ(教科)と「コア」と呼ばれる3つの必修要件から構成されます。

■ 6つのグループ(教科)

グループ1

言語と文学(母国語)

グループ4

理科

グループ2

言語習得(外国語)

グループ5

数学

グループ3

個人と社会

グループ6

芸術

 生徒は、各グループから履修科目を選択し、2年間をかけて6科目の学習を行います(※1)
また、大学やその後の就労において必要となる専門分野の知識やスキルを大学入学前の段階で準備しておくため、6科目のうち3~4科目を上級レベル(HL、各240時間)、その他を標準レベル(SL、各150時間)として学習します。

■ 3つの必修要件「コア」

上記6グループのほか、必修のコア科目として、以下の3科目が配置されています。

Theory of Knowledge

(TOK:知識の理論)

Extended Essay

(EE:課題論文)

Creativity, Activity, & Service

(CAS:創造性・活動・奉仕)

 この3つのコア科目の設定は、探究型学習と全人的教育を強調する国際バカロレア教育の大きな特徴であり、いずれの科目においても本質的な学びを自分のものにするためのカリキュラムが組み込まれています。

※1:「芸術」(グループ6)は他のグループの科目に代えることも可能です。

3つの必修要件「コア」

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TOK(知の理論)では、「クリティカルシンキング」に取り組みます。
具体的な知識について学ぶのではなく、「私たちはどのようにしてそれを知るのか」という問いを中心に、知識そのものに疑問を投げかけて探究します。

 批判的思考力の育成や自分自身のものの見方の汎用、他者との違いについて自覚することを目指し、活動を深めます。
 本校では、探究を「正解が一つではない課題」に取り組む時間として考えています。PYPとMYPでの探究活動を通じて批判的にものごとを分析する態度を形成することは、TOKにおける学びの姿勢につながります。

EE(Extended Essay:課題論文)では、個人研究を行い、研究成果を8000字(英語の場合は4,000語)の論文にまとめます。
 生徒は、DPで履修している科目から1つを選択し、研究分野を決定します。論文作成を通じて、高いレベルのリサーチスキル、記述力、創造力を育みます。

本校独自の取組みである「個人探究」やPYPの「Exhibition」、MYPでの「パーソナルプロジェクト」を通して、自ら調査・検証を行い、自分なりの答えを見つける力を系統的に醸成しているため、EEはそれらの学習の集大成として、位置づけられます。
 今後のEEでは、DP・NDPの履修コースに関わらず11・12年生(中等5・6)全員が取り組むコア科目とすることを検討しています。

CAS(創造性・活動・奉仕)は、3つの要素から構成されるコア科目です。
 3つの要素とは、芸術などの創造的な活動に取り組む「創造性」(Creativity)、健康的な生活を目指す身体的活動としての「活動」(Activity)、コミュニティーのニーズに対応するために実施する協働的かつ無報酬で自発的な活動を行う「奉仕」(Service)です。これらの活動においては、「IBの使命」や「IBの学習者像」に基づいて、生徒が自分自身のアイデンティティーを構築する後押しとなることを大切にしています。

本校では、教科での学びを充実させながら、実際に児童生徒の行動により学びを深めることを大切にしています。PYPやMYPでの体験的な学習が、充実したCASの取組みへとつながり、主体的な共同作業を可能にします。
 今後のCASでは、DP・NDPの履修コースに関わらず11・12年生(中等5・6)全員が取り組むコア科目とすることを検討しています。